表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

3

峠に着く頃には、もう陽が傾いて来ていた。

「ーー随分と悠長だな」
メルセデスさんが腰に手を当て、溜息交じりに呼び掛けてきた。
先に峠で荷車と共に待っていた彼女と部下の兵士達は、随分待ちくたびれた様相だった。
「…すみません…」
私が頭を下げると、メルセデスさんはふん、と小さく鼻を鳴らし、すぐさま号令をかけた。
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「ーー出発する!」ハイドラの首を積んだ荷車が動き始めた。
いよいよ、都へーー領都へ向けて、出発となった。
私達も、一行の列に混じり歩き始めた。

峠の山道は険しく、更には空を飛ぶ魔物も現れはじめた。
メルセデスさんを始め、皆周囲を警戒して武器をさっと構える。
初めて見るその姿に戸惑うも…
「大丈夫です、落ち着いて」というロベルトさんの言葉に、私も励まされながら魔法に集中した。
「空を飛ぶあの魔物にも、炎の魔法を。撃ち落とします」
その合図に、私も炎のイメージを頭に浮かべながら杖を構え、炎を呼び起こす呪文を紡いでいった。

ロベルトさんと私の魔法で撃ち落とした魔物を、アツシさんや兵士達が剣で貫く。
襲い来る魔物の数は多かったけれど、皆で連携攻撃を重ねて順調に行軍は進んだ。
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