表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

5

遠くに見え始めていた都の外壁は、近付くにつれ大きさと威圧感を感じる。

ーーあれが領都…。
未知の土地に緊張を覚え、くっと掌を拳に握って歩いた。

「ーー着いたぞ、領都だ。皆ご苦労だった」
メルセデスさんの労いの言葉に、少しほっとした。
そして私達は、遂に領都の街へ足を踏み入れた。

門の先には、石畳で整備された街が拡がっていた。
どの建物も背が高く、レンガや石で造られている。
入って正面、中央の広場には噴水もあり、夜でも営業している商店がぐるりと軒を連ねている。
私は初めての感触に、ただ圧倒されていた。

広場の中央付近で荷車は一旦停まった。
「これより我々は城の方へと向かう。…そなたらは追って沙汰があるまで滞留するといい」
メルセデスさんの最後の指示だった。
一団はここで解散となった。

私達は、ここまで連れ添った皆をいつまでも見送っていた。
彼女達が居なければーーきっと行き先に困り、ここまで来ることも出来なかっただろう。
とりあえず感謝しなければ……。
そっと小さく頭を下げた。

そして今日はもう、慣れない戦闘と長い行程の歩き詰めでくたくただった。
私達は広場に面した宿で部屋を取り、休むことにした。

その後私は、食事を採る事も忘れて深い眠りに落ちていった。
旅立ち初日から、とても長く厳しい一日だった。
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