表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

14

「…早速で申し訳ないのですが、覚者様にお願いしたい事がございます」
バーナビーさんが私の目を見ながら言った。
私がはい、と返事をすると、彼は小さくお辞儀をした。
「宜しければ、こちらへ付いて来て頂けますか」
そう言うと、彼は広間の奥ーーリムが据えられている場所があるーーの横、階下へ降りる階段の方へと私達を先導し進んで行く。

階段を降りた先には、上の階と同じ位広い空間が拡がっていた。
そして突き当たり奥には、古びた鉄格子の扉が見える。
彼は私達をそこまで案内した。

「この扉は、今まで必要もなく、開けたことがありません。ですが最近になって、何か今までとは違う空気の流れを感じるのです」
そして彼の依頼は、この先の様子を私に見てきて貰いたい、というものだった。
ポーンの者だけでは探索に行く訳にもいかず、覚者である者の協力がどうしても必要らしかった。
私は人助けになるならと、この依頼を受けようと思った。
後方に控えるアツシさんはとちらりと振り返ると、気が進まない様子で苦い顔をして押し黙っているのが見えた。

ロベルトさんが、
「申し訳ありませんが、私はここに用があるので残ります」と私に告げた。
私は困って、もう一度アツシさんの意志を仰いだ。
「…気は進みませんが…行きましょう」
何とか、認めてくれた。
「…ありがとう」
彼の心遣いが嬉しかった。

「それでは、お願いします」
そしていよいよ、バーナビーさんの言葉と共に鉄格子の扉が開かれた。
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