表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

3

延々と続く通路を、私達は暫く無言で歩いた。
どれだけ歩いたか、分からなくなってきた頃。
静かな空間に響く足音に混じって、何かの呻き声が聞こえてきた。
それは、前方の地中から漏れて来たかと思うと……地面を破って人型の影も徐々に姿を現した。

「ーーアンデッドが…!?」
アツシさんが、素早く剣を抜きながら斬りかかった。
まさか領都のすぐ地下に、こんな危険があるとは…。
ただ私の考えが甘かったのだろうか…?

ーー目の前の光景を疑った。

今置かれている状況を把握出来ずに、私は完全に油断していた。
地中から蘇り動く死体のーーアンデッドーーは、次々と其の数が増え、私達を取り囲んでくる。
そのうち一体が、私の肩に掴みかかって来た。
「…やぁっ…!」
その間近で見る様相と異臭、そして強い力で引っ張られる恐怖に、たまらず声を挙げた。
ーーと、間髪置かず。
「…マスターを離せ!」
鋭い掛け声と共に、アツシさんの剣がアンデッドの体を貫いた。
アンデッドの手から力が抜け、その身が崩れ落ちる。

…助かった…!
恐怖で乱れた息を、静かに整える。
危機から解放された後も、少しの間震えが止まらなかった。

さすがに数が多いアンデッドの群は、きりがない。
私も何か打開策を考えなければ…。
そうして思い立ったのが、聖なる魔法だった。
今はロベルトさんはいないけれど、きっと出来る筈…。落ち着けばきっと、大丈夫ですよね。
私は杖を手に取り、集中した。
アツシさんの剣へ、そして自分の杖へ。ーー光の力を!

私達の武器に、聖なる光が宿った。
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