表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

9

何故か今の顔を見られたくなくて、私は急いで通路の先へと向き直り、歩を進めた。
それでも彼は黙って後を付いてきてくれる。
ーー今は探索に集中しなければいけないのに。
私は自分を叱責しながら先だけを見て歩いた。

そのうち、通路の終わりに下へ向かって折り返す階段が現れた。
一歩ずつ踏み締めながら降りてゆくと、装飾の設えてある床から淡い光が漏れているのが見えた。
そちらに牽かれるように、目を離さずに歩み寄った。

実際に近付いてみると、光の漏れている場所以外にも、この階自体に何かの力を感じる気がした。
ーーまだ奥にも空間があるのだろうか?
なんとなく、辺りをゆっくりと見回してみた。
何だろう、微かに魔力のようなものを感じる気がする…。
薄暗い空間の中でよく目を凝らしてみると、一箇所、通路の入り口のようなものを見つけた。

青い光の発生源も気になるけれど…まずはそちらに行ってみようと足を向けた。

入ってみようとは思ったものの。
人が一人通れる位の細い通路に、少し躊躇し……一旦歩みを止めた。
…この先に、一体何が…。

「…行ってみますか?」
アツシさんの言葉に、私は首だけで振り向き、小さく頷いた。
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