表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

11

とにかく、今日するべき事は全て果たせた。

クズ物屋から市街区への帰り道。
たまに立ち止まり、きょろきょろ曲がり角を覗きながら道を確認する私と、黙って少し後ろを歩くアツシさん。
私の思う道が合っているのか、つい確認したくなり振り返ると…。

ーー彼の表情が少し柔らかかったような気がしたのは、気のせいだろうか。
…もしかして、笑われた…?ーーちょっと恥ずかしくなり、肩を竦めた。
そもそも、これだけ街に不慣れな歩き方をしていれば、傍から見ている人には滑稽かもしれないけれど。

行きも帰りも、迷路を歩いているような道筋に戸惑い時間を取られーーもうすっかり暗くなってしまった。
散々歩き回ってもうくたくたなのもあり、出発は明日の朝にするとして、今日はもう宿で休む事にした。

私が宿などで寝泊まりするのに対し、アツシさんはリムに還って休む。
今までポーンギルドを避けていたと云う彼は、此処へ来た初日は宿に泊まっていた。
けれど、今朝の一件で、ギルドの中のリムに立ち寄る気持ちが出てきたようだった。

「また明日の朝、参ります」
頭を軽く下げ、お休みなさいませ、と言い残し。彼は職人区の方へ去って行った。

竜を求める旅の中に、覚者とポーンの識も得る事が出来るだろうか。
ーー明日から、それらを…私の"これから"を探求する旅が、本格的に始まる。

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