表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

2

彼の片手で握られた剣の刃が、私の肩の横で止まっている。
横目でそれを見ながら、ごくりと唾を呑んだ。
…どうして…? 
そうか、やっぱりこの剣は…。
考えたく無い答えが頭を占める。

ーーけれど、よく見ると彼の視線は私の背後に向けられていた。

その視線を追って、僅かに背後を窺い視た。
肩先に伸ばされた刃の先には、鋭く鈍い光がちらりと見て取れた。
気付かない内に、背後にもう一本の剣が迫っていた…。
「ーー下がって!!」
空いている方の手で私の肩を掴み、ぐいと引いた。
私の体は勢いでつんのめりながらも、アツシさんの横まで下がり、迫る刃から少し距離が空いた。
改めて振り返ると、こちらへ向けられた剣の柄は、人骨ーー剣を携え動く人骨の魔物によって握られていた。

また油断した…!
自分の事に必死で気付かなかった。
そう思う間にも、彼は素早くもう片方の手を柄に添え握り、両手で魔物に向かって剣を突いた。
人骨は少し怯み、体勢を低くした。そこへ、突き出されたままだったアツシさんの剣の刃が翻り、横に薙払われた。
魔物は敢えなくその骨を砕かれ、散り果てた。

ふうと小さく息を吐き、アツシさんは剣を納めず携えたままで、私に向き直った。
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