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	<title>輪廻の誓い   ～NOVEL 1・旅立ちの章～</title>
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	<description>ドラゴンズドグマ ・ とある世界のものがたり。</description>
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		<title>目次</title>

		<description>1.黒呪島にて・プロローグ
2.はじまりの…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 1.黒呪島にて・プロローグ
2.はじまりの旅
3.竜を識る国へ
4.時の深淵より
5.竜征への道
6.起源との邂逅
7.動き始めた想い
8.覚者の休息
9.「仲間」との旅立ち
10.遠征任務と心の距離と
11.自覚からの迷い ーアツシの想いー
12.眩み砦奪還戦・前編
13.眩み砦奪還戦・後編
14.明日の行方
15.届かぬ想い
16.邂逅の地へー誘いー
17.水神の祭壇ー祈りー
18.謎多き遺跡ー迷いー
19.己を識るものー想いー
20.古よりの待人ー願いー
21.興される記憶ー惑いー
22.後悔と葛藤の末にーアツシの決意ー
 ]]>
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		<title>8</title>

		<description>ーーかつては呪いさえしたこの身を、"ポー…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ーーかつては呪いさえしたこの身を、"ポーン"である自分を……。
きっと今まで、此れほど有り難いと思ったことはない。

"主と伴わない従者の方は、お連れ出来ません"

ーー桟橋に佇んでいた、案内人の女性に。
そう言われ、進路を断たれ愕然とした。
愚劣に、異界にこの身を留まらせようとした自分を悔いたーー。
何度も自分に言い聞かせた事。何故、傍に居なかったのだろうと。

そして、このまま……もう逢えないのだろうかと……。

しかし、逆に気付いた。
リムさえあれば、どれだけ離れた空間をも跳躍する事が出来る。
人ではないーーこの"種"として生きる、私だからこそ。

そして私は降り立つ。
只ならぬ気配、昏い空気の支配するーー常闇の島へ。
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「ーーおひとりで何処へ？マスター」

目に飛び込んできた、焦がれ、追い求めたひと。
その変わりない姿に、安堵しながらも……。
此処までひとり、胸の内に閉じこめて来た想いがーーつい表情を硬くする。

リムから気配を辿り、此処へ来たと、あなたを守る使命が私には有るとーー。
通り一遍でしかない、上辺からの言葉が口から出てしまう。
 
けれど、本当は……。
その哀し気にも見える表情を浮かべ、消え入りそうな声で謝るあなたを。
ーー今すぐ駆け寄り、抱き締めてしまいたいのに。

私自身の中に燻ぶる、"罪"の意識が邪魔をする。

先の見えない、この島で。
それでもあなたが此処に何か目的を見出し、進むというのなら。
ーー私はあなたを、必ず守り抜く。……例え何があっても。

まずは、それを無事果たすことが出来たなら……。
また共に、元の世界へ帰れたなら。
その時私は自信を持ってあなたに伝えよう。
包み隠さない、あなたへの素直な気持ちを。

静かに決意し、足早に追い越し前を歩く。

追い抜きざまに、ちらと見えた彼女の表情はーー。
少しはにかみ、微笑んでいるように見えた。
 ]]>
		</content:encoded>
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		<title>7</title>

		<description>すっかり陽も落ち、空が輝かな茜から深い…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ すっかり陽も落ち、空が輝かな茜から深い藍へと変わる頃。
なかなか見当たらぬ、我が主の姿を捜し求めるうち……。
遂に、此処まで足を踏み入れる事となった。

今までその永きを育たれた村ーー海と共に暮らす漁村、カサディス。
家々の灯りが漏れる路地には通り掛かる人の姿もなく、とても静かだ。
もはや纏わり付く程に身近に感じる浜風と、穏やかに寄せる波の音に身を置きながら。
薄闇の中、目を凝らしひとり歩く。
すぐ目の前に広大な海を臨むこの村は、陽が落ちると辺りはどこまでも暗い。
しんと静まり返った村の中、これでは人に尋ね回る事も出来ない。
ーーとにかく、己の感覚を頼りに探し当てるしかない。

何処かの建物からあなたの声が聞こえるのではないか、もしかすると路地裏からふらりと現れてくれるのではないかーー。
そう考えながら、村中をくまなく歩き回るも。
探し人の気配は、何処からも全く感じられない。

此処へ来る途中、懐かしい"宿営地"にも立ち寄ってみた。
防衛施設であるが故に、やはり兵士や傭兵ばかりが目に付く中。
居ればすぐ分かるあろう、その姿は何処にも見当たらなかった。

心当たりのある方向で、彼の方がひとり落ち着ける先は……此処である気がするのだが。
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もはや此処にしか選択肢が無い筈の状況下での、宛の外れに。
苛立ちにも似た気持ちの焦りが、更に増してゆく。

ーー何故ーー！
自分の唯一の主であり、一番の大切な存在である彼のひとを……何故見つけ出す事が出来ないのか。
悔しさと歯痒さに、拳を強く握りーー浜辺に立つ。
時折海から吹く優しくも強い潮風に、想いを馳せながら顔を背けた。

ーーと、その方向に。
海の上でちらちらと揺れる、ひとつの小さな灯りが視界の端に入った。

……あれは…ランタンの光…?!

……まさか……。まさか…?!

考えるより先に、既に足はそちらへ駆け出していた。
ーー幻？……いや、確かに見える。
海へ向かい佇む人影を、目に焼き付けるように捉えたまま。
砂を蹴り桟橋へと上がり、その後ゆっくりと踏み板を軋ませながら近付いてみる。

……マスター……？
ーーいや、違う…。

そこに居たのは……。
腰のあたりまでも届く長い亜麻色の髪を持つ、黒衣に身を包んだ女性。
近付くにつれはっきりと確認できる、覚えのない姿に少々落胆しながらもーー。
せめて手掛かりが貰えるかも知れないと思い直し、歩み寄り声を掛けた。

「ーー少々、お尋ねしたいのですが」

夜風に靡く髪を揺らしながら、その人はゆっくりと静かに振り返る。
 ]]>
		</content:encoded>
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		<title>11</title>

		<description>桟橋の、夜風に冷えきしむ板を、じわりと…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 桟橋の、夜風に冷えきしむ板を、じわりと踏みしめながらーー恐る恐る近付く。
「…誰…？」
そのうち思わず、疑問が呟き声となって出ていた。

私の声に反応したのか、背を向けていた人物がゆっくりと振り返る。
やはり……長い髪を持つ、たおやかな雰囲気の女性だった。
その容貌は、すらりと美しくもーー。
黒衣に身を包んでいるせいもあるだろうか、どこか寂しそうな光を瞳に浮かべているように見受けられる。
その理由が、何故なのか……とても気になった。

「ーー私が、見えるのですね…」
その問いに言葉を失う。
……どういうこと……？
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「私の姿が見えるのは……、覚者とその従者だけです」
ほどなく告げられたその答えはーー私の心にやんわりと、でも鋭く突き刺さる。

やっぱり私は……。
どこまで行っても、覚者なんだ…。
ーー私はもう……。覚者として、これからも生きていくしかないの…？
たまらず、目を伏せた。
この人に覚者として此処で出会ったのも…。
ーーこれも…、私の辿るべき道なの……？

黙々と、考え込むうちに。
目の前の女性は私に向き直り、改めて話を切り出した。
「ーーどうか私と…来て頂きたい場所があるのです」

ーーそして私は、未だ知らぬ地へと……。
由縁無き者には、視ることすら出来ないと云う地へと。
オルガと名乗った、その女性の案内でーー行き先の分からぬ舟に乗り、出帆した。


この先、何があるか分からない。
……例え、万が一の事だって……。
けれどーー私は私の意志で往こうと思った。

このまま、此処にはもう帰れないかもしれない。
……それでも……。

それで此の世界から消えてしまえるなら、それでもいいとーー。
私の痛んだ心がそう、呟いていた。
 ]]>
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		<title>10</title>

		<description>やがて体が、胸のあたりまで水に浸かる。…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ やがて体が、胸のあたりまで水に浸かる。
水深が深くなるにつれ、静かに寄せる波の飛沫が顔にも滴を残す。

……私は、これで……。

頬が段々と濡れていくのは…この海の水のせい…？
……それとも……。

これで楽になれるのだと……心穏やかだった筈なのに。

ーー私…は……？

「……アツシ…さん…！」
どうしたらいいの…？
意図に反して、嗚咽が漏れる。
とめどなく流れるものは……きっと私の…。

水の冷たさは気にならない。
けれども…。
抑えられない想いに…身勝手さに。
ただ、心が痛い。

せめてどうか、涙だけでも止めたいとーー顔を上げた時。
闇に包まれた景色すら滲む視界の端に、ぽつんと小さな灯りのようなものが映った。
ちらちらと揺れる、その光はーーランタンの灯……？

……こんな時間には、海には誰も居ない筈……。

その光は、桟橋の上に留まって静かに揺れている。
そしてやはりーー人影が見える。
今はそれどころでは無かった筈なのに……。
何故か、どこか寂し気なその佇まいにーー目が離せない。

足が……心が牽かれた。

服が濡れそぼり、動くのが重い。
そして何より、今の沈んだ気持ちからかーー足取りが重い。
桟橋の上の灯りを目で捉えたまま、ゆっくりと海中から上がり浜へ引き返す。
あれは本当に、人影なのだろうか…？
こうしている間にも、露と消える幻では……⁈
そんな事を考えながら、ついには桟橋に足を掛けた。

ーーやっぱり、誰か居る。
進む毎にその人影は確実に近付き…。
女性らしき姿を思わせる、線の細くーー長い髪を海風に揺らす後ろ姿が、はっきりと見て取れた。 ]]>
		</content:encoded>
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		<title>9</title>

		<description>陽が落ち、暗くなるにつれ…。
村の中には…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 陽が落ち、暗くなるにつれ…。
村の中には少しずつ明かりが灯り、人々の姿が消えていく。
領都と違い、街灯も殆どないこの村では、明かりが増えるごとに静けさを増していく。
ちょうどその頃合いに、村の中に足を踏み入れた私はーーやはりここでもひとり歩く。

砂を踏みしめる音、砂浜に静かに寄せる波の音。
ここではやはりゆっくりと時間が流れている。
ーー村を出てから今日までの、目まぐるしい日々が嘘のように思えた。
……私はもう……此処でひとり…。

ーーアツシさん。あなたともっと居たかった……けれど。
私のせいでこれ以上苦しめるのも嫌…。
そして私が居なくても、きっとあなたなら……。

どうかもっと、幸せな道を。

彼の事を考えると、胸が詰まり……釣られて涙が滲む。
想う程に胸の奥が暖かくーーでも苦しくて。
……どうすればこの辛さから……。

心の中にも夜の帳が降りるような私の足は。
ーーゆっくりとーー昏い海へと向かう。
いっそ、こうして彼を想いながら……。

砂浜の砂利を踏みしめながら歩く足元に、ひやりとした水の感触が混じり始める。
このまま進めば、私は……。
ーーわかってる。
ゆっくりと、歩みを止めず進む。


これで、いいの。
此処でこのまま、静かに暮らそうとしても……きっと…。


少しでもーーあなたと心通えて、とても幸せだった。
「ーーさよなら…」
彼の姿を思い浮かべながら、囁くように呟いた。
「アツシさん…」
その名に、自然と笑みが浮かぶ。

……私は……このまま、あなたの思い出と共に。

 ]]>
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		<title>6</title>

		<description>マスターの背中を捜しながら追うように、…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ マスターの背中を捜しながら追うように、ただ前を向いて走る。
暖かで爽やかな海風の吹き上げる街道には、穏やかな空気が流れている。
焦りが募り、急ぎ風を切る私にはーー別次元のもののように感じられる程に。

ひとり、道を往きながら。
流れ行く景色の移ろいと共に、胸に様々な想いがこみ上げる。

ーー何故、目を背けて居たのだろう……。
何故、繋いだ手を離してしまったのだろう……！
例え、どれだけ辛く……苦しくとも。
あなたさえ居れてくれれば、それだけでーー乗り越えられた筈なのに。

どれだけ悔やんでも、まさに過ぎた時間は取り戻せない。
握る拳に、更に力が籠もる。

ーーもう、後悔はしたくない。
……だからこそ……。

もう二度と、あなたを離さない。
何があっても、どう足掻いてもーーこの手で守るべきあなたを。
独りにしてしまった私を、どうか許して下さるならば……。

ーー守り抜きたい。共に居たい。
何よりも大切な……、掛け替えのないひと……。

……セツナ……。
あなたを、愛し生きてゆきたい。
ーー共に居られる、過ごせるーー許される限りの永遠を。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2015-05-25T00:18:49+09:00</dc:date>
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		<title>5</title>

		<description>今は何を置いても、先ずはマスターを捜す…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 今は何を置いても、先ずはマスターを捜すのが先……！
そう瞬時に判断し、どちらへ行くか関所を挟んだ双方の道を伺う。
任務の報告もある事を考えると、領都に戻っているとも考えられる。
……が、しかし…。
まさか、あの峠を一人で……？
「ーーそこの者」
どちらへ向かうべきか足踏みしたところへ、横手から呼び声が掛かった。
「ーーはい。何か…」
「貴殿は、確か……。此処にいた覚者殿の従者では？」

ーー間違いない。
覚者殿とは、我がマスター……セツナ様の事だ…！

「…セツ……、マスターはどちらへ…?!」
逸る気持ちに、思わず詰め寄りそうになりながら。
ぐっと拳を握り、衝動を抑えて慎重に訊ねる。
もし、マスターに何かあったなら……！
早くその姿を……無事で居る姿を確認したかった。

「あれは昨日の陽の昇る前だったか…。ただ礼を告げられて、そちらへ」
指し示された方は、一度は向かおうと考えた峠のーー領都への道ではなかった。
海からの風そよぐ、自然豊かな街道。
確か、私達が初めて旅を始めた"宿営地"へと向かう道……。
そしてその先には、以前マスターから聞いたーー辺境の村がある。
長く育ったと云う、マスターにとって恋しく懐かしい故郷。
この道の先、まず心当たりがあるのはその二箇所。

どちらにせよ、向かうべき方向は決まった。
「ーーありがとうございます…！」
居ても立っても居られない。
短く、けれど深く頭を下げながら礼を述べーー。
すぐさま、目指す方向を振り返り駆け出した。

ーーどうか……！どうか待っていて下さい、今度こそ………！
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		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
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		<title>8</title>

		<description>ひとり歩く道中、狼の群にも出くわした。…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ひとり歩く道中、狼の群にも出くわした。
低い唸り声を上げ、じりじりと囲んでくる間にも……。
ただ杖を振り、
「ーー炎の祓いを…！」
軽く念じ祈れば、簡単な炎の魔法と同じ術が使えた。
……これも……。
あの竜が施した術のおかげ、なのだろうか…？

ただ、眼前の狼達が倒れ伏すのを静かに眺めながら。
…杖を納め、また黙って歩き出す。
後ろから、人に声を掛けられた気がした。
…周りに誰か居たのだろうか？

ーーそう、例え私でなくても。
覚者になれる者は、他にもきっと沢山居る……。

今まで、此処まで進んでこられたのは…アツシさんをはじめ、暖かく頼りになる仲間のおかげ…。
ーー私には大した力もない。

……どうして私が、覚者になってしまったんだろう。
ただ、偶然の巡り合わせ…？
 ーーそれとも。
私にも自覚のない、過去からの……？
あの日、村を襲った竜に立ち向かいなどせず、もしただ逃げていたら…？

ひとりで居ると、今まで知らずに溜め込んできた想いがーー次々とこみ上げてくる。

ーー私は此れから……どうしたいんだろう。

ただ黙々と、その中でずっと思いを巡らせながら歩いて。
ーーやがて、日が暮れかかる頃。
懐かしいカサディスの村は、もう眼前に近付いていた。

……もうすぐ……帰れる。
ただ平穏な日々を過ごしていた、静かな村へ。
また、よく気の知れた皆のもとでーー穏やかに毎日暮らすのもいい。

今までも、覚者として旅していた人々の中にも……。
こうして旅を辞めた者も、きっと居るだろう。
私もただ……、その中の一人になればいいだけのこと。

ーーそうすれば、きっと。
これ以上、私の為に誰も巻き込まなくていい。
そう、誰も……。
<img src="https://wox.cc/user/saala/o/20150527-011805.jpg" alt="20150527-011805.jpg" class="pict" /> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
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		<title>7</title>

		<description>ーーこれから……何処へ行こう。
道を少し…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ーーこれから……何処へ行こう。
道を少し外れ、海風に吹かれながら…見える範囲の景色を一望してみる。
左手側には、領都が見える。
今回も調査の任務を請けて此処へ来たのだから、報告に戻る義務もある。
……けれど……。
ーー今はどうしても……その気になれない。

そして、右手側を望んでみると……。
目に飛び込んで、来た見覚えのある場所に。ーー足が自然とそちらへ向いた。

ーー懐かしい故郷、カサディスへと。

ひとりで歩くうち…寂しさはありつつも、逆にこれでいいのではという考えも浮かんでくる。

私が居なければーーもう彼が苦しむこともない。
私の力量不足で、私が覚者として旅をする事で……。
これからもまた、どんな危険に遭うか分からない。

ーーもし、竜の言った通り……、そして先の夢で見た通り……。
赤い竜にそもそも縁があり、私がこうして覚者となったのだとしたら。

ーー全て、私のせいでーー。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
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		<title>6</title>

		<description>ーーあれから。
夢も見ない程、深い眠り…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ーーあれから。
夢も見ない程、深い眠りに落ち、そのうちまた日が明けて…。
テントでひとり目覚めた時には、まだ誰も戻って居なかった。
ルゥさん、ハゥルさん、そして……。
……アツシさん……。

ーー私はこれから先、ひとりなの……？
不安と寂しさから、そんな考えが浮かんでしまう。
ハゥルさんの言葉を、信じない訳じゃないけれど……。

ゆっくりと、テントの外に出てみる。
ひとり見渡す風景がまるで……今までと違う世界のように見えた。

「ーー覚者殿？」
テントを出て辺りを見回していると、この関所の番をしている兵士に声を掛けられた。
何日も此処で寝床を借り、お世話になったままだった。
「ずっとお世話になってしまって……すみません」
改めてちゃんとお礼を言おうと、歩み寄り頭を下げた。
「いえ、こちらは一向に構いませんよ。……少しでもご助力出来ましたならば」

その暖かい言葉がただ有難く…もう一度お礼を述べながら頭を下げた。

ーーけれど…。
さすがにいつ皆が帰るか判らないとなると、少し気が引けてくる。
兵士に一言、ありがとうございました、と告げ…。
荷物を下げ杖を携え、街道へと歩を踏み出した。
「これから…どちらへ？」
兵士の問いかけに、私自身もはっきりとは答えられない。
……ただ……。

「ーー大丈夫です」
ただ、そう言って微笑むのが精一杯だった。

…それ以上は、胸が詰まりーー何も言えなかった。
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		<title>4</title>

		<description>「ーーほら！さっさと行きなさいよ。あん…</description>
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			<![CDATA[ 「ーーほら！さっさと行きなさいよ。あんまり、女の子を待たせるもんじゃないわよ？」
ルゥさんが軽い口調と共に、そっと背中を押す。
「ーーええ」
振り向き、軽く頷いた。
「セッちゃんによろしくね♪ ……きっとまた、会いに行くから」

「……はい」
一拍置いて答えを返す。
「ーーもう……泣かせたら許さないからね」
一見、厳しく聞こえる言葉とは裏腹な……明るく優しい微笑み。
ーー彼女の優しさが伝わってくる。
少しの間、ただ黙って頭を下げーー外への方向を振り返った。

ーーマスター。
……いえ、セツナ様……。
散々勝手を働いた私をーー。
願わくばどうか…待っていて下さい…！

ーー私はあなたに…伝えたい事があります。
……出来る事ならば……此れからも私は、あなたと共に……。

ーー此処から、出たら。
自分の言葉で、揺るがぬ意志で……はっきりと伝えたい。
今までも、そしてこれからもーー決して変わらぬ想いがあるのだと。

……身勝手なのは……分かっている。
けれど…今はっきりと思う。

ーーあなたに……逢いたい。
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ーーそして、リムから外界へ。

私が足を踏み出した場所、それはマスターが未だ独り待っている筈の場所。
……そう。
倒れてしまったマスターを運び込んだ、関所のリムの外。
また逢える喜びと、けれどどう話を切り出そうかと少し気まずい緊張を持ち合わせながら。
慎重に、その姿を探す。

ーーが、しかし……。
覚えのあるテントの中にも、そして見渡せる限りの、街道の伸びる景色の中にすら……。
何処にも、私の探し求めるひとの姿は無かった。

……やはり…、遅かった……？
しかし、そう遠くには行かれていないような気もする。
ーーいや、そうであると…祈りたい。

「…セツナ様…！」
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		<title>3</title>

		<description>「ーーあなたはあの場で…共に願ったのでは…</description>
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			<![CDATA[ 「ーーあなたはあの場で…共に願ったのではなかったですか？永久の不変を…傍に居ることを」
静かに流れるように語るその言葉は、私の胸の歪みを縫うように織り込まれていく。
「あなたと居る時の覚者様は、本当に穏やかな表情をされて……」
何か思い浮かべるような、少し遠い目。
その表情に導かれるように、私の脳裏にも…。
ほんのりはにかんだ、柔らかな笑顔が浮かび始める。

「あの祭壇で声が戻られたのも…、きっとご自身の素直な想いの強さ故。それ程までに想うあなたが…傍に居る事がーー」
息を吐くように発せられる、穏やかな言葉と共に。
ーーゆっくりと、私の心中すら見透かすように。
彼の目が、すっと細められる。
「それが、覚者様の……。一番の幸せなのではないでしょうか」

静かに、けれどはっきりと確信を持って紡がれる言葉。
ーーそう、私自身も…、本当は分かっている。
自分が何処に居たいのか、どうしたいのか…。
たまらず目を伏せ、震える手で強く拳を握った。

「この、何もない空間でこうしている間にも…。外界では、普段通りに時間が過ぎてゆきます。ーー戻られるべきです、早く」
現実に引き戻される言葉に、はっと顔を上げた。

「ーー迷うことは無い筈です、アツシさん。あなた自身のその正直なお気持ちは、ずっと変わっておられない筈。例え何があっても…。そうでしょう？」
ふっと、ハゥルさんの表情が緩んだ。
その優しくも心に直接響く問いに、一度強ゆっくりと頷き返す。
「さあ…。あなたの居るべき場所は、此処ではありませんよ」
今度は強い笑みを浮かべ、やんわり私を促す。

「…ええ…！」
彼の目を、真っ直ぐ見詰め返し。

もう一度、そして今度は力強く頷いた。

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