表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

10

下りの細い路地を抜けた先。
用水路が流れる行き止まりの手前に、通りから隠れるように開いている小さな店があった。
軒に掛けられた看板には、"クズ物屋"と書いてある。
酒場で聞いた店は、きっとここに違いない。

店先を覗くと…様々な物品の積まれた店内に、店主とおぼしき男性が一人。
そして店先にはもう一人の男性が居て、店主と何か話していた。
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…もしかして…。
ふとそう思い、自分の予想の通りであればと心の中で願いながらーー訪れていた男性に声を掛けてみた。
「…あの、すみません。あなたは…」
そっと訊ねかけると、その男性は、自分は情報屋のモーリンと云う者だと名乗った。
そして、「あんた、こないだ此処へ来た覚者なんだろ?」と先に訊ねて来た。

不意を突かれながらも、はい、と答えると。
覚者である者の特徴に似た絵を、此処から北へ行った先の丘に見たことがあると云う話をしてくれた。
更に、そこに不思議な雰囲気を纏った人物が住んでいると。

そしてこちらからまともにお礼を言う間もなく、彼はーーじゃあな、と忙しそうに走り去ってしまった。

そこに答えがあるかはまだ解らないけれど…。
折角の話、行ってみるのも無駄では無いかも知れない。
とりあえず、僅かにでも情報が得られたのは…元々宛てのない私にとっては大きな収穫だった。
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