表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

3

「君が今まで、着実に力を付けて来た事は…私も風の便りに聞いていましたよ」
そう言ってロベルトさんは静かに微笑んだ。
「…君と旅をした日々の事は、今でもよく覚えています。あの頃から、君の真っ直ぐさは変わっていませんね。…良かった」
彼の言葉は、とても優しく響いた。きっと、アツシさんにも。
彼は下げたままの手を…ぐっと拳を握って俯いた。

それはどことなく少し、ロベルトさんに頭を下げたようにも見えた。

「…あの。私からも…いいですか?」
私の問いに、ロベルトさんが目線で応えてくれた。
「私なんかが、こんな事言っていいか分からないですけど…」
僅かに目を逸らし、もう一度はっきりと目線を戻した。
「今回、探索に行って…結果良かったと思っています」
アツシさんが、はたと顔を上げて私の方を見た。

「アツシさんに助けて貰わなければ、私はきっとここへ戻れませんでした」
彼のーー当のアツシさんの視線を横目に感じながら、そしてじわりと胸の奥が暖かくなるのを感じながら。
「…そんな私ですが…。やっと自分でも、魔法を使って立ち向かわなければと思えました」

アツシさんは少し困ったような笑みを浮かべている。
ロベルトさんは静かに微笑んで、頷いてくれた。
「…これから先、色々あると思いますが…。あなた様ならきっと、乗り越えて行けますよ」
その柔らかで暖かい、励ましの言葉に。
「…ありがとうございます」
と…少し照れながら答えた。
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