表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

1

ーー気が付くと、私はいつもの宿の一室で新たな朝を迎えていた。
…何故…いつの間に此処に…?
昨晩は、酒場で食事をして。途中から店主のアースミスさんが私達の席へ来て…。
そうだ。片手に持って来たボトルから注いでくれたのが実は果実酒で、其れをはじめ気付かず飲んで…。
お酒に耐性が無い私は、そのうちうとうとと眠ってしまったに違いない。
ーー自分でもはっきり判らないくらい、何の覚えもなかった。

その後、アツシさんやアースミスさんはどうしただろう。
ーーまた私は迷惑を掛けてしまったのかな…?

「やあ、おはよう」
身を整え部屋を出ると、宿の主人がいつものように声を掛けてきた。
私も小さく会釈しながら、挨拶を返す。
すっかりここは自宅のように出入りさせて貰っていた。
「ーーよく眠れたかい、お姫様」
そう言って悪戯っぽく、ニッと笑う主人に、一瞬身が固まる。
…どういう…?
何の事か判らず呆然とする私に、主人は笑顔のまま続けた。
「こうやって」と、両掌を上にして、何かを抱える真似をする。

「あんたのポーンの兄さんが、ここへ運んで来たんだよ。…知らなかったかい?」
笑顔のまま、そう言った。
その言葉を受け、一瞬遅れて想像を巡らせ…そしてどきりとした。
ーーやっぱり、世話を掛けていた。
しかもその時の様子を考えると…。
どうやらとても恥ずかしい事になっていたようだ。

「いいパートナーを持ったじやないか。ーーいいねえ」
そう言うと主人は、明るくあははと笑った。
7144d2a7959377e8ed159805b0f2996a_l.jpg
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。