表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

8

街道を西へ逸れ、昨日歩いた平原を横目に見下ろしながら、緩やかに登る丘を進む。
歩く内にごつごつとした岩が徐々に沿道に現れはじめ、坑道へ続く道という雰囲気を感じる。
向かう先、背の高い岩がある曲がり角には死角が出来、道は広いのに見通しが悪い。

「ーー来ます」
先を行くイージスさんが背を向けたまま剣を抜いた。
彼女の視線の先の岩陰に、小鬼の魔物ーーゴブリン達が隠れていた。
イージスさんが駆け、アツシさんも続く。
群を成して駆け寄って来るコブリン達と、一気に間合いが詰まる。
銀色の鋭い閃光が群の態勢を崩し、そこを褐色の大きな風が凪ぐ。
次々と弾き飛ばされるように、斬られ倒れていくゴブリン達は…それでも残った者は次々と襲ってくる。
「……!」
一匹、私の近場の岩陰から飛び出してきたゴブリンが居た。
けれどもそれは、急速に突き立った氷の柱に貫かれた。
ルインさんの唱えた魔法だった。
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ゴブリンの群はあっと言う間に全て倒され、皆それぞれに武器を納めた。

これから向かう先でも、ゴブリン達が待ちかまえている。しかももっと多勢の…。
累々と地に伏した姿を見ながら、改めてこの任務の危険さを感じた。
思わず少し身震いする。
「大丈夫…私達が付いてますわ」
ルインさんが軽く肩に手を置いてやんわり微笑んでくれた。
その言葉と仕草に暖かさを感じ、私も不安を拭うように何とか笑顔を作って返した。
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