表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

12

駆け込んだ小屋の中には、さらに奥へ続く扉があった。
意外と中は広いらしい。
そしてこの中なら、砲撃は届かない。
ーーただ、外には殺気立ったゴブリン達が構えている。
ここで押し寄せられたらたまったものじゃない…。
敵陣真っ直中の戦場には、なかなか安心できる場所などなかった。
中の扉には鍵は掛かっていない。
…けれど、何があるか分からない。
念のためとイージスさんが先頭に立ち、ゆっくりと扉を押し開け先を覗いた。

続きの間に入るとすぐ、格子戸に阻まれた部屋が並んでいた。
ここは…小屋というより、牢獄…?
そんな事を思っていると、奥から幾つかの甲高い声。
数匹のゴブリン達が待ち構えていた。
「ここにも居たか…!」
すかさずイージスさんが剣を抜きざま突進し、相手が動く前に貫き、勢いで吹き飛ばす。
そこをアツシさんの剣が広く薙ぎ、まるで何事もなかったかのように騒ぎは静まった。
石造りの暗い室内に、それぞれの剣を納める音が響いた。

部屋の奥、ゴブリン達が倒れている辺りに、大事そうに置かれている箱があった。
幸い、鍵は掛かっていない。
わざわざこんな所にあるのを疑問に思い、皆が見守る中、そっと開けてみる。
中にはーー何か棒状の物。
…これは…、まさか…!
顔を上げて皆の顔を見回した。
それぞれ頷いたその理由は……きっと私と同じ。
私は確信を持ってそれを手にし、皆に改めて頷き返した。

ーーさあ、ここからが本当の戦いだ…!
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