表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

11

やがてゴブリン達も入り交じり、乱戦になる。
剣士二人は、徐々にそちらにも手を取られて行く。
厳しい状況を打開すべく、私達も出来る限りの魔法を放ち続けた。
「なるべくサイクロプス達の正面に。砲撃を味方に付けます」
意味はよく分からなかったものの、ルインさんの冷静な言葉に、なるべく巨人の姿をを前に捉え続けるように心掛けた。
要塞から撃たれるバリスタの砲撃は、次々とサイクロプス達の巨体に阻まれーーなんと私達に当たる事はなかった。

魔法で足を止められ、剣に身を削られ…更には味方のものである筈の砲撃に全身を穿たれ。
哀れとも思える程の攻撃に晒され続けたサイクロプス達は、遂にその巨体を地面に横たえた。
けれども、まだ戦いは始まったばかり。
ゴブリン達と本格的に交戦するのはこれからだ。
そしてまだ、高台からの砲撃は止まない。
ーー何より、私達の任はまず門扉を開けることだ。
そう思い、ちらりと小屋の方を見遣った。

アツシさんとイージスさんが、何か言葉を交わしている。
そしてその後すぐ、アツシさんは側面に見えた梯子を昇っていった。
と、その姿がふいに消える。あの中に入れたのだろうか…?
イージスさんがこちらへ小走りに駆けて来た。
「中から開けます。こちらへ」
そう告げる言葉が終わらないうちに、小屋の扉が掠れた音を立てて開いた。
アツシさんが、こちらを促すように視線を合わせている。
残りの私達はその扉を目指して、一斉に走った。

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