表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

10

巨人ーーサイクロプス達はその大きさからか、意外と速く距離を詰めて来る。
また違う方向からは、ゴブリン達もこちらへ向かって来ている。
魔物達から身を隠すところもなく、苦戦は必至だった。
地響きと共に迫り来る巨体が、私達の頭上で棍棒を振りかざした。
…立っているのがやっとで、動けない…!
その時、駆け抜けた一つの影。
ーーアツシさん…?
長い剣を、上に向かって勢い良く突き上げる。
鈍い音と共に、牙が折れ地に落ちた。
牙が折れたショックで、サイクロプスの動きが止まった。

「私が相手だ…!」
イージスさんが剣を抜き、動く。
もう一体の巨人を引き付けようと盾を鳴らす。
「…あの巨人は、雷に弱いです」
ルインさんが素早く杖を構えた。
そして、出来ればご一緒に、と私を促した。

ーー魔物に囲まれたこの状況で、私も精一杯出来る事をしなければ。
ルインさんに倣って杖を構え、後に続いて呪文を詠唱した。
詠唱が終わり、ルインさんが魔物に掌を向けるように、手を前に突き出した。
眩い稲光を伴った雷がサイクロプスの頭上に落ちた。
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鉄の鎧兜を着ている巨人は見事に全身が感電し、棍棒を取り落とした。
そしてがくりと、地面に膝と手をついた。
私も見よう見まねながら、思い切りよく手をかざした。
もう一体の頭上から射す雷が、大きな単眼を抉った。
たまらず目を押さえてよろめき、そのまま動けないでいる。
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