表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

9

こんな時でも、彼の手が優しく温かくて。
心に落ち着きを貰うように、温もりの残る手をもう片方の手で包み込んだ。
ルインさんが、肩に手を置いて微笑んでくれた。
ーーまだ。まだ、諦めない…。
皆の温かさが、勇気をくれる気がした。

ほっとしたのも束の間。
砲撃の降り注ぐ中、イージスさんがこちらへ後退してくる。
「ーーいよいよ、お出ましか…」
その言葉の向けられた先には、複数の魔物の姿があった。
「あれは…サイクロプス…?!」
要塞の陰から、ゴブリンだけでなく…。
大きな一つ目と太い牙を持つ、二体の巨人が現れた。

低い建物なら優に超える、ただでさえ大きく力強いその体格に…。
二体のうち片方は金属の鎧兜を身に付けている。ーーそして、その太い腕には棍棒を握りしめ。
巨人らがこちらに近付くにつれ、地響きも起こってくる。
イージスさんは私達を精一杯庇うように、盾を構えて立ってくれている。
…けれど、もしあの棍棒で打たれたら…。
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