表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

8

「…どこから…。あそこか!」
イージスさんが盾から顔を覗かせ、先程音のした方を見上げた。
要塞の上の階から、ゴブリン達に大きな弓矢のようなもので狙われている。
ーーその先には、爆薬。
それを見た瞬間、ぞっとした。
あんなものまで使うなんて…!
止まない砲撃に、私達はひとまず、所々に残されている防護柵の陰に隠れた。
「ここもいつまで持つか…。止み間に、あそこへ走りましょう」
イージスさんが近くの小屋を指した。

砲撃はあまり長くの時間は空かない。
恐怖で震える足を何とか動かし、皆と共に石造りの小屋へと走る。
入り口へは一度にはたどり着けず、一度外壁の陰で砲撃をやり過ごす。
側で爆音が響くたびに、思わず肩を竦めてしまう。
初めて味わう戦場の過酷さを次々と思い知り、早くも心が折れそうになる。でも…!
泣きたくなる気持ちを堪えて要塞を見上げた。
「今です!」
イージスさんの合図と共に、入り口へと駆けた。
駆け寄りざま、すがり付くように扉に手を掛ける。
…開かない!!
幾ら押しても引いても…扉はガチャガチャと音を立てるのみ。
今撃たれたら、直ぐに隠れられる場所はない…!気持ちばかりが焦る。
「もう一度下がって下さい!」
イージスさんが滑り出て再び盾を構えて前方に立ち、砲撃から身を防ごうとしてくれている。
「ーー少し辺りを調べてきます」
その言葉と共に。
アツシさんが小屋の陰へと私の手を引き、彼自身はまた身を翻し走って行った。
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