表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

11

「さ、早く用事済ませちゃいましょうよ♪…ぐずぐずしない、出発!」
ルゥさんが溌剌とした笑顔で、急に切り替えながら皆を促した。
「……姉さん……」
「…………」
ハゥルさんとアツシさんは何も言わず、やや溜息混じりに続く。
でも、少し楽しそうにも見えたのは…きっと私自身が楽しく思えたから…。
寝不足からの体のだるさは取れた訳ではないけれど、少し癒えた気持ちが私の足取りを軽くする。

ーーそして、また新しい旅が始まる…。

「…さて。目的地はどちらですか?」
ハゥルさんが、地図を出して拡げてくれた。
その中から関所の印を目で追って探し出し、その近くに描かれた川の絵を指でなぞった。
その動きを見ていたハゥルさんは、ふむ、と呟き覗き込む。
そして、ひょっとして……と、独り言。
「…何となく、の予想ですが…。上流の、滝の側にあると言われる遺跡ですか?」
その何ら間違いのない問いに、はっきりと肯いた。
そして彼の、その博い知識に感嘆した。

「へえ~、そんなとこあるんだ。さすがあたしの弟♪」
ルゥさんもうんうんと頷き、感心している。
ーーそして改めて、明るく皆を促した。
「じゃあ、そこへ向けて出発ね。そんなに遠くないし、さくっと行ってみよう」
その言葉に背中を押されるように、外への通路を進んだ。
アツシさんも小さく頷き、しっかりした足取りで隣を歩いている。
ハゥルさんが一瞬、何か考え込んでいるような素振りをしていたけれど……。
すぐに、何も言わずに一緒に歩き始めた。
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。