表記について
・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。
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"ごめんなさい……、ごめんなさい…!”
何度も何度も、謝ってしまう。
ーーでもーー。
細かく嗚咽が混じり、うまく言葉になっていなかった。
あなたにはいつも…迷惑をかけてばかり。
こんなどうしようもない私なんか…、この人にふさわしくない。
ーーただ付き従ってくれているだけでも、恵まれていると思う。
……なのに……それなのに。
「……離して……くだ…」
「マスター」
耳元で優しく囁く声に言葉を遮られ、どきりとする。
「ーーお伝えしたい事があります。…聞いて頂けますか」
彼の腕の力が緩んだ。
そっと顔を上げるとーー彼の、穏やかながら真剣な眼差しがそこにあった。
「私は…あなたの従者です」
……そう。私は彼にとっての主ーー覚者。
「あなたをお守りし、戦うのが私の使命です」
……そう。彼はいつもどんな時でも、私を助けてくれる。
それらは聞かなくても判りきっていること。なのに私は何を…。
動揺していた自分が馬鹿みたいだとも思い、たまらず目を伏せた。
「あなたを守れればそれでいい…。そう思ってきました。ーーいえ」
静かに語る彼の声が、僅かに強みを帯びた。
「思っているつもりでした」
ややあって、彼が軽く息を吸う音が続き。
「あなたを困らせてはいけないと…ただ従者としての使命を果たさなければと…自分の心に蓋をしていたのです」
ーー息を吐くようにもう一度、強く抱き締められた。
一瞬、息が詰まる。
「けれど…あなたの気持ちを頂けた今ーー言わせて下さい」
ーー何故だろう。一気に脈が上がり、頬が上気する。
それはきっと……私には聞けないと思っていた言葉を、思い浮かべたから……?
「……あなたが……好きです」
優しい囁きでありながら、辺りに響く声と共にーー
耳元から伝わる熱が、体中を駆け巡る。
「……え……?」
ーー私は…。
……此処に、居ていいの…?
「ーーえっ?…あ…」
再び涙が、静かに溢れる。
彼の暖かな胸に顔を埋めた。
「…セツナ様」
囁くように名を呼ばれ……。
彼の手が、私の顎にかかり。顔を上げさせ、そして濡れた頬をそっと拭った。
まるで心臓が有るかのように、胸が苦しい。でも決してそれは……苦痛ではない感覚。
自分の中で、悦びの感情が納まりきれずーー外に出たいと訴えるような。
「泣かないで下さい。どうか…」
返事の代わりに、静かに微笑み掛けた。
「微笑っていて下さい…。私のそばで…」
ゆっくりと、彼の優しい瞳が近付く。
……ねぇ……。
ーーそっと、目を閉じる。
……優しく、温かい……。
ーー唇がーーー重なった。
自然と、互いの想いを露すように。
何度も何度も、謝ってしまう。
ーーでもーー。
細かく嗚咽が混じり、うまく言葉になっていなかった。
あなたにはいつも…迷惑をかけてばかり。
こんなどうしようもない私なんか…、この人にふさわしくない。
ーーただ付き従ってくれているだけでも、恵まれていると思う。
……なのに……それなのに。
「……離して……くだ…」
「マスター」
耳元で優しく囁く声に言葉を遮られ、どきりとする。
「ーーお伝えしたい事があります。…聞いて頂けますか」
彼の腕の力が緩んだ。
そっと顔を上げるとーー彼の、穏やかながら真剣な眼差しがそこにあった。
「私は…あなたの従者です」
……そう。私は彼にとっての主ーー覚者。
「あなたをお守りし、戦うのが私の使命です」
……そう。彼はいつもどんな時でも、私を助けてくれる。
それらは聞かなくても判りきっていること。なのに私は何を…。
動揺していた自分が馬鹿みたいだとも思い、たまらず目を伏せた。
「あなたを守れればそれでいい…。そう思ってきました。ーーいえ」
静かに語る彼の声が、僅かに強みを帯びた。
「思っているつもりでした」
ややあって、彼が軽く息を吸う音が続き。
「あなたを困らせてはいけないと…ただ従者としての使命を果たさなければと…自分の心に蓋をしていたのです」
ーー息を吐くようにもう一度、強く抱き締められた。
一瞬、息が詰まる。
「けれど…あなたの気持ちを頂けた今ーー言わせて下さい」
ーー何故だろう。一気に脈が上がり、頬が上気する。
それはきっと……私には聞けないと思っていた言葉を、思い浮かべたから……?
「……あなたが……好きです」
優しい囁きでありながら、辺りに響く声と共にーー
耳元から伝わる熱が、体中を駆け巡る。
「……え……?」
ーー私は…。
……此処に、居ていいの…?
「ーーえっ?…あ…」
再び涙が、静かに溢れる。
彼の暖かな胸に顔を埋めた。
「…セツナ様」
囁くように名を呼ばれ……。
彼の手が、私の顎にかかり。顔を上げさせ、そして濡れた頬をそっと拭った。
まるで心臓が有るかのように、胸が苦しい。でも決してそれは……苦痛ではない感覚。
自分の中で、悦びの感情が納まりきれずーー外に出たいと訴えるような。
「泣かないで下さい。どうか…」
返事の代わりに、静かに微笑み掛けた。
「微笑っていて下さい…。私のそばで…」
ゆっくりと、彼の優しい瞳が近付く。
……ねぇ……。
ーーそっと、目を閉じる。
……優しく、温かい……。
ーー唇がーーー重なった。
自然と、互いの想いを露すように。
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