表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

1

ーーがらん、と重く乾いた音が響く。

「…マスター…どうして…。ーー私は……!」
剣を床へ取り落とし……うな垂れ、両手で頭を抱える彼の肩を。
あまり力は込めず、そっと包んだ。

「……アツシさん…。いいの。帰りましょう…、一緒に……」
ーー本来の彼が戻ってきた。
私には、まずそれだけで充分嬉しかった。
でも、彼は気にしているのだろうか……?
今しがたまで起こっていた、自分を取り巻く出来事を。
4d5f2c328d66be13948d14e7e04a07e4_l.jpg

きっと誰より深く傷付いた、彼の気持ちを思うとたまらずーー。
彼を包み込んだ腕に言葉を乗せるように、強く抱き締め直した。

『…ほう…。見事、難を退けたか…』
つい目の前の事象に気を取られて、蚊帳の外になっていた……聞き覚えのある低い声。

ーーずっと……、ただ見ていたんだ。
その声の方向へ視線を向け、アツシさんの体をゆっくり離す。
彼の事が気になるけれど…まずは此処から出ることを考えなければいけない。
『ーー自ら傷付く事も恐れぬその心……。其方らの絆は真のものなのであろう』

ーーずっと……、試していたんだ…!
沸々と、熱い気持ちーー怒りが沸いてくるのが分かる。

……どうして……⁉︎
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。