表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

4

「ーーそこです……!加護の魔法で援護します!!」
私と共に、炎の魔法を重ねていたハゥルさんは……。
やはりその広く鋭い眼力で戦況を見極めながら、もう既に次の手を打ち始めていた。

ーー加護……?

気にしながらもーーとにかく絶えず魔法を繰り返す。
ルゥさんは私の側で変わらず弓をつがえ、次々と矢を降らせている。

やがて、ハゥルさんの掌の上でで紡がれた光が流れてーー。
矢が降り注ぎ、炎が揺らめく先。一つの影が滑った。

一瞬、空間が無音になった。

「ーー終わりだね」
ぽつりと、でもはっきりとーー弓を構えていた腕を下ろし、そう言ったルゥさんの声が静かに響いた。
その言葉に、思わず見遣った彼女の横顔は…。
静かに、そして確信を浮かべながら強く微笑んでいる。

寸での後、一帯の空気がびりびりと震え始めた。そして…。
ーーオオオオォオ…!
更に空間を揺るがすように、竜の叫びが轟き渡った。

ーー仰け反り苦しむ竜のもと。
一振りの剣が深々と竜の腹部ーー弱点を突き刺していた。
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……良かった……無事だった…!

先程、ハゥルさんは……彼の武器に魔法を…。
竜が冷たい床へと倒れゆく映像が、揺らいで見える。
そして止めようとしても、とめどなく溜まりゆく涙はーー。
炎を纏った岩片が次々とその場へと降り注ぐ振動に推されるように……次々と溢れ流れ落ちた。

熱風と轟音の渦巻く中ーー。
ルゥさんがそっと……片腕を私の肩へ廻し、優しく包んでくれた。
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