表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

11

蓋が開くと同時に、目の前の棺の中から人骨が起きあがり、剣を振り上げた。
それを振り下ろされる瞬間、私は思わず頭を庇うような姿勢で屈み込んだ。

「ーーー!?」
……剣は下りてこない。
アツシさんが頭上で、刃を受け止めてくれていた。
返す刃で相手の剣をねじ伏せ、一気に刃を胴に叩きつけるように払った。
人骨は胴体と下肢が分断され、バラバラになって果てた。
「お怪我はありませんか?」
彼の言葉に安堵し、ゆっくり頷いた。

改めて棺を覗いてみると…。底に、取っ手らしき物を見付けた。
それを窪みに填めてみると、安易に装着出来た。
私はいよいよだと云う緊張感を覚えながら、ぐっとレバーを下げた。
重く金属の掠れる音と共に、扉が上がる。
開ききったのを確認して中へ入ると…宝箱が二つ、並んでいた。

…魔力の発生源は、これだ…！
ごくりと唾を呑み、ゆっくりと金具を外して…そうっと覗き込みながら蓋を開けた。

二つの箱の中にはそれぞれ、一着の衣服と、一振りの杖が入っていた。
私は魔力の感じる側の箱ーー杖を手に取ってみた。
金属の冷やりとした感触を掌に感じる。
先には繊細ながら豪奢な装飾が施されており、透明度の高い石がはまっている。
思わず溜め息を漏らしながら、杖に魅入った。
そして金属の杖は意外と軽く、私の手にしっくり馴染んだ。

これまでの連戦で使い果たした気力が、少し戻ったように感じた。

ーーさあ、まだやり残している事がある。戻ろう。
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