表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

12

もう一つの気掛かり。ーーそれは、長い通路を降りた先の広間の、青い光。
私達はその源であると思われる、装飾の施された床に恐る恐る近付いてみた。
特に何か聞こえてくる訳でもなく、ただ静かに光が漏れている。
……この下に、更に何かあるんだろうか?
そしてこの床にも、何処かに仕掛けが…?
私は床の模様の上に屈み、食い入るようにその面を見ながら……掌で撫でるように探った。

不意に、かちりと乾いた音がした。

「ーー!?」
みるみる光が強くなり、辺りを明るく照らした。
そして、何処からともなく無数の異形のものーー触手のようなものが生えてくる。
しかもそれらは、どうやら魔法を使ってくるようだ。
口のように開いた先端に、様々な魔法の輝きが浮かぶ。
「これは…?!」
この世の光景とは思えない様子に、呆気に取られてしまう。
明らかに危機的状況なのに、体がすぐに動かない。

アツシさんが私に呼び掛けた。
「ここを離れましょう!」

私達は必死にその場を駆け足で離れ、元来た通路を上へと戻り始めた。
通路の床からも、触手はお構いなしに生えてくる。
覚悟を決めて応戦するも、触手は無限に増える。
「きりが無いです、逃げましょう!」
アツシさんの言葉に、私もここはそうするしかないと思った。
彼に背後を取って貰いながら、疲れた体に鞭打って一心に走った。
息も絶え絶えになりながら、何とかギルドに続く階段まで辿り着くと……振り返る事もなく急いで鉄柵をくぐった。
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