表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

6

ポーンギルドを後にした私達は、先程兵士が去った道を辿りーー城のある方向へと向かった。
市街区に出る門を過ぎた突き当たりに、職人達も頻繁に使う通用門があるらしい。
そこからなら、城のある通りに直接出られるようだ。

今まで静かな村に住み、城の役人になど縁の無かった生活をしてきた私には、気後れを感じてしまう。
きっと、書面を兵士に遣わせた役人を待たせているに違いない。
でも、足取りが自然に遅くなる。

通用門をくぐると、目の前にすぐ荘厳で美しい街並みが広がっていた。
大きな建物の群に、綺麗に整備された緑が映えている。
城をはじめ、大きな教会、大きな屋敷の数々…。
道行く人は皆、城の兵士や整った身なりをした人達ばかりだ。
このような整備された区画を歩くのは、なんとなく落ち着かない気分になり、思わず引き返したくなる。
それでも今は使命があるのだからと、気持ちを前向きに城の入り口へと進む。

城門の前には、数名の兵士が警備に立っていた。
それより手前に、軍服に身を包んだ騎士の姿が在り、私たちを出迎えた。

ーーこの人が任務を取り仕切る指揮官だろうか。
緋色の軍服を着込み、剣と盾を身に着けたその堂々とした立ち姿に気圧されながらも…。
先の兵士より受けた書類を両手で差し出すように握り見せ、おずおずと声を掛けてみた。

「ーーあなた様が…。覚者殿でございますか…」
その相手は、騎士らしい仕草で恭しく胸に手を当て、軽く一礼した。

そしてその人はーーマクシミリアンと申します、と名乗った。
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