表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

1

翌朝、私達は。早目に出発する為、陽が昇りきらないうちに起き出した。
昨夜はテントでイージスさんとルインさんと一緒に横になり、少し話をした。
二人には馴染みのない、カサディスの事なども訊かれ、色々話していた。
そのうち気持ちが和らぎ、いつの間にか眠りについていた。
そのお陰もあり、今朝はすっきり目覚めることが出来た。
ーーきっと彼女達なりの、さり気ない気遣いだったのだろう。

私達は兵士が用意してくれた簡単な朝食を採り、素早く身支度を整えた。
そして、お世話になったのはほんの少しの間ではあったけれど…。
良くしてくれた兵士達との別れを名残惜しくも感じながら、お礼を言い野営を後にした。

野営地から、ぐるりと湖畔を廻り込んで西へ。
地図で見る限り、結構距離がありそうだった。
暫く歩いて、湖を見下ろす高さの森の小路を慎重に進む。
まだ少し薄暗いうちに出発したのもあって、目的地の砦はまだ全く見えない。
砦の奪還戦という激戦が想像される任務ながらも、森の中は静かだった。
行く先を隠すように立ち並ぶ森の木々は、まだ明けきらない朝の靄の中に静かに微睡んでいる。

やがて射し始める陽の光とともに、爽やかな風が吹き抜け、木や草がざわめき出す。
道中、一時の森林浴を趣ながら進む私達の前に、静寂を破るように魔物が飛び出してきた。
ゴブリンが一匹、二匹と現れ、襲いかかってくる。
素早くアツシさんとイージスさんが斬りかかり、退散するもーー砦に近付くにつれ、その数は増えてゆく。
砦を拠点に、少しずつ進行してきているのだろうか。

ーー確かにこれは…早く砦を奪還しなければ。


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