表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

2

門が開くと同時に、兵士達が甲冑の金属音を何重にも鳴らしながらなだれ込んで来た。
「ーー覚者殿、よくやってくれました!」
隊長を筆頭に、皆盾と剣を素早く構え、ゴブリン達の群に相対する。
ずらりと並んだその姿は、とても勇壮で頼もしかった。
私も急いで階段を駆け降り、皆の許へ合流した。
「お役目、果たされましたか」
「ーーやりましたね」
皆、やっぱり無事だった。…よかった。
自然に表情が緩むのを感じた。

私達は領都の兵士達とも協力し、皆入り交じって戦った。
ゴブリン達は、地面に開いた穴から次々と出てきて襲いかかって来る。
ーーまるできりがない。
兵士達やイージスさん、アツシさんは剣でゴブリンと武器を交え、返り血を浴びながらも黙々と戦い続ける。
私とルインさんは出来る限りの魔法を駆使し、炎で灼き、雷を撃った。
延々と繰り返される戦闘に、息があがってくる。
陽もすっかり高く上がっているせいか、汗も噴き出してくる。

…もう、何時間戦っているんだろう…。
じわじわ押し寄せる疲れに、魔法を使う集中力も徐々に薄れてくる。
甲冑を着込んだ兵士達も、その重みと暑さで動きが鈍ってきている。
皆殆ど無言で、剣戟と砲撃の音だけが絶えず鳴り響いていた。
さすがにゴブリン達の中にも、仲間が次々と倒されていく姿に尻込みするものも現れてきている。
…もうちょっと…。
きっと、もうちょっと耐えれば…!
必死にそう自分に呼び掛けた。

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