表記について
・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。
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アツシさんが竜の体から剣を抜き、素早く離れる。
弱点を突かれ、更にその上から魔法を一身に受けた竜は……。
その身を完全に床へ横たえる寸前、今一度苦しそうに首をもたげる。
「ーー見事なり……!流石は……"竜の巫"の……」
ーー今、何と……?その言葉は……誰に…?
意識が急速に、現実に呼び戻される。
此処へ来て視えた、不思議な幻。
そして新たに身に付いた、"祈り"の力。
その間、ずっと私に呼びかけていた竜の声……。
……どういう…こと……?
ーー私は……、一体……?
足が自然と、倒れた竜の許へ向かう。
横たわったままこちらを見上げるその瞳は、先程までとは打って変わってーーとても穏やかだった。
『…覚者よ…。かつての彼の…、失われた地の…巫女王の…』
先程までの威勢は削げ、息を静かに吐くように話すその口調から…もうその命は尽きかけているのだと感じる。
「何を……誰に…言ってるの……?」
ーー今はそれより…話の内容が気になる筈なのに……。
まるで、全く他人事のように耳に入る。
『今は無き…美しき四季織り為す国……。八百万の精霊神々に感謝を捧げ生きた民の国…』
ーーかつて、北の祠で…竜識者から聞いた話と同じ。
まさか此処でも聞くと思わなかった語り出しに、ごくりと唾を呑んだ。
竜の持つ、よく見入ってみるとまるで宝石のように綺麗な翠色の瞳を見ていると……。
その情景が、その中から少しずつ見え始める気がしてくる。
『その国を治めし…竜を崇めし巫女王の……、血を引き後継を望まれていた姫巫女…。それが……』
竜の瞳が、僅かに動いた。
ーー私の後方、肩越しへと。
『…それこそが…かつて其の杖を手にし繰りし者……。自らの意思で竜に反した者……』
やはり、かつて聞いた竜識者の話と同じ。
謡うように、流れるように。耳から入る、遠い存在の伝話。
弱点を突かれ、更にその上から魔法を一身に受けた竜は……。
その身を完全に床へ横たえる寸前、今一度苦しそうに首をもたげる。
「ーー見事なり……!流石は……"竜の巫"の……」
ーー今、何と……?その言葉は……誰に…?
意識が急速に、現実に呼び戻される。
此処へ来て視えた、不思議な幻。
そして新たに身に付いた、"祈り"の力。
その間、ずっと私に呼びかけていた竜の声……。
……どういう…こと……?
ーー私は……、一体……?
足が自然と、倒れた竜の許へ向かう。
横たわったままこちらを見上げるその瞳は、先程までとは打って変わってーーとても穏やかだった。
『…覚者よ…。かつての彼の…、失われた地の…巫女王の…』
先程までの威勢は削げ、息を静かに吐くように話すその口調から…もうその命は尽きかけているのだと感じる。
「何を……誰に…言ってるの……?」
ーー今はそれより…話の内容が気になる筈なのに……。
まるで、全く他人事のように耳に入る。
『今は無き…美しき四季織り為す国……。八百万の精霊神々に感謝を捧げ生きた民の国…』
ーーかつて、北の祠で…竜識者から聞いた話と同じ。
まさか此処でも聞くと思わなかった語り出しに、ごくりと唾を呑んだ。
竜の持つ、よく見入ってみるとまるで宝石のように綺麗な翠色の瞳を見ていると……。
その情景が、その中から少しずつ見え始める気がしてくる。
『その国を治めし…竜を崇めし巫女王の……、血を引き後継を望まれていた姫巫女…。それが……』
竜の瞳が、僅かに動いた。
ーー私の後方、肩越しへと。
『…それこそが…かつて其の杖を手にし繰りし者……。自らの意思で竜に反した者……』
やはり、かつて聞いた竜識者の話と同じ。
謡うように、流れるように。耳から入る、遠い存在の伝話。
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