表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

7

炎が立ち上がると同時に、大きな爆発が起こった。
「ーーー!!!」
「…くっ…!」
派手な破裂音と爆風、それに弾け飛ぶ土煙や石つぶてに、皆両腕で顔を耐えた。
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爆炎の向こう側で、オーガ達が断末魔の声を挙げるのが聞こえた。
硝煙と砂埃が治まるのを待って、私たちはお互いの無事をそれぞれ見回して確認した。
少し手荒になってしまったけれど…何とか危機は脱した。
張り詰めていた力が抜け、よろめく体をルインさんが隣で支えてくれた。
「…大丈夫ですか?」
ルインさんが顔を覗き込んで訊ねる。
私が、はい、と頷くと。
「よかったですわ」と、静かに微笑んでくれた。
暗闇の中の静寂に、その笑顔と言葉は優しく響いた。

「…魔物の脅威は去ったようですね」
彼女が自然に顔を向けた方からは、先程も感じた外界の風がそよいで来ている。
出口はすぐそこだ。ほっと息を吐いた。
「ーー此処を出る前に、先程の商人に報せを」
イージスさんの問いに、私とルインさんは同時に肯いた。

ーーじゃあ、戻らなければ。
私が来た道の方を向いて歩き出そうとするのを、ルインさんがやんわり止めた。
「皆で行くことはありませんわ。覚者様はこちらでお待ち下さい」
「…え…。はい…」
優しくもしっかりした響きの言葉に、私はつい肯いてしまう。
「まだ何か居るといけない。私も行こう」
イージスさんが進み出た。
私が何か言う間もなく、二人はそのまま入り口の方へ消えて行ってしまった。

ーー後には、私とアツシさんの二人だけが残された。
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