表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

3

そして私は、まずは酒場に向かわせて貰った。
迷惑を掛けっ放しになっているのが気になって…一言アースミスさんに謝っておきたかった。
酒場は朝も、早くから開いている。
今日は時間があるから、ちょうどゆっくり朝食を摂るのにも良いかも知れない。
店を覗くと、中はパンを焼く良い香りに満ちていた。
アースミスさんはちょうど、店の中の席を整えているところだった。
すみません、と声を掛けると。
「よう」と、いつもと変わらず快活な様子で迎えてくれた。

「今日はゆっくり出来るのかい」
「はい。…あの、昨日は…」
「いや、こちらこそすまなかったね」
皆まで言い終わらない内に、店主は顔の前で左右に小さく手を振りながら…逆に謝ってきた。
「あんた飲めなかったんだね。悪かったよ。ーーそちらの兄さんとは、また是非改めて飲みたいねえ」
そう言ってにっこりと笑う。私もアツシさんも、それぞれ小さく頭を下げた。

他に何も言われないところを見ると、眠ってしまった以外は何もなかったようだ。
それだけでも十分迷惑だと思うけれど…。
でも彼の人の良さに、救われた気がした。
「朝飯、何か食べてくかい?」
との誘いに乗じて。
私達は揃って、温かいパンとスープの朝食にありついた。
その間、アースミスさんは、私達にある話を切り出してきた。

「今日もし暇があったら…ちょっと頼まれちゃくれないかい?」
何ですか、と訊ねてみると、店主は少し気恥ずかしそうに日に焼けた頬を掻いた。
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