表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

11

「ふん、尻尾さえ落とせば…!」
イージスさんが素早くリザードマン達の背後へ回り込み、的確に尻尾を落として回る。
次々と倒れ込みもがくその本体を、アツシさんの剣が力強く薙ぐ。
そして更にルインさんの魔法が追い重なり…。
ーーあっと言う間に、魔物の群は動かなくなった。
ここまでも様々な戦いを経てきているにも関わらず、皆の動きは軽やかだった。
見知らぬ地での激しい戦いの任務も、きっと乗り切れるーーそんな心強さを感じた。

そうこうしている間にも、陽は傾き続けている。
私達はとにかく先を急いだ。
暫く歩くと木が切り開かれ、広く拓けた場所に出た。
そしてそこには、テントや物資の箱が並び…中央に据えられた囲炉裏には火がくべられている。
明らかに人の気配がする。ーーここが野営地だろうか。
じっくり様子を伺いながら、きっとここに居ると思われる人の姿を求めた。
テントの方に、人影が見えた気がした。
ゆっくりと、そちらへ近付いてみる。
領都の軍の紋章の入った鎧を着た兵士が、火の側で番をしていた。
鍋で料理でもしているのだろうか。近付くにつれ、いい匂いも漂ってくる。

「…あの…。すみません…」
呼び掛けに気付いて立ち上がった兵士に、私はたどたどしくも此処へ来る事になった経緯を説明した。そして、出来ればと一夜の宿を求めた。
案ずるより易しーー思ったより簡単に了承してくれた。
ほっと胸を撫で下ろし、ありがとうございますと軽く頭を下げた。
…本当に有り難かった。

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