表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

4

洞穴内は暗寂を取り戻した。
「まだ魔物は残っているかも知れません。慎重に進みましょう」
ルインさんが真剣な面持ちで言った。
よく見ると、暗がりの中でその姿が発光している。ーー魔力の増幅の余韻だろうか。
…とても綺麗…。
その彼女の光を纏った美しさに見惚れ、絶大な魔力に羨望と尊敬の念を抱いた。
そんな私に相変わらず穏やかに微笑むルインさんは…とても素敵だと改めて思った。
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やはり坑道として掘り進まれた道は、更に幾度も枝分かれを繰り返した。
出口を探すついでもあり、私達は方々を時間を掛けて余さず調べて回った。
途中、先程のような仕掛けや鍵の掛かった扉なども開けて回り。
ほぼ見て回っただけの通路は、全て解放した。
これで、此処は便利な抜け道として…。
そう考えながら、いよいよ外の風が吹き込む通路へと差し掛かった時だった。
またも聞こえてくる荒い息遣いに、反射的に歩みが止まった。

…まただ。また…!
暗闇に蠢く新たなオーガの姿が目に飛び込んでくる。
めげそうになる気持ちを、まだ気付かれていない事だけを支えに押し留めた。
「ーー楽には通らせて貰えぬようだ」
イージスさんに続き、皆武器を構えた。
ーーここはまた、先制攻撃で決めるべきだろう。

そう考えていた時、オーガの居るその先からも物音か聞こえ…もう一体、同じ姿がそこに並んだ。
奥から現れたそれは、すぐさまこちらを見て取った。
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