表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

3

今日は領都の正門を通って、街の外へ。
マクシミリアンさんから教わった坑道へ向かうには、城壁沿いの川を渡る前の道を西へ曲がる必要があった。
清々しい程に晴れ渡った空の下、歩調良く街道を進む。
遠征任務に向かう緊張感と、仲間を得て進む意気込みと…様々な気持ちが入り混じる。
改めて都の外壁沿いを歩いてみると、その規模がよく分かる。
城壁はなかなか途切れる事無く、遙かな地へと発つ私達をいつまでも見送っているかのように聳えていた。

イージスさんとルインさんは、黙って付いてきてくれている。
ーー私と同じか、少し上くらいの年頃だろうか。
今まで歴戦を潜り抜けて来たと云うけれど、どこかまだあどけなさも感じる。
真っ直ぐ前を向いて進む、凛々しいイージスさん。たまに目が合うと、静かに微笑んでくれるルインさん。
この先、彼女達と往く先にはどんな戦いが待ち受けているのだろう…。

そんな事を考えながら歩いていた時だった。

「ーー金目の物、全部置いて行きな!」
進行方向の先、街道に建つ崩れた城壁の陰から。
低く威圧感のある声と共に、武器をこちらへーー私へと構えた男が姿を現した。
僅かに離れた先から弓を構え、こちらを狙っている。
ーーたまに旅人を狙って現れるという盗賊だろうか。
さすがに気配を消すのが巧いようで、全く気付かなかった。
朝早く人通りの少ない時間、たまたま私達がうまく通り掛かってしまったのだろうか…。

苦い思いと共に、鈍く光る矢尻に釘付けになり、一歩も動けない。
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