表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

6

風が止み、身を起こした。
一度は通り過ぎたグリフィンが、上空で旋回するのが見えた。
グリフィンがまた向かってくる…!固唾を呑んで構える。
盗賊達はすっかり引け腰になり、散り始めた。
イージスさんが進路を塞ぐように飛び出し、剣の柄で盾を叩いた。
「ーー来い!」
先程迄とは違う、大きな声で叫ぶ。
グリフィンの目がその姿を捉えたのか、大きく羽ばたきながら急降下した。

ーーまるで雷神のように、羽に雷の力を纏わせて。
336fa3278c1555514d3d3b2b8013183e_l.jpg
グリフィンの風圧を、雷の放電を。イージスさんは勢いに押されながらも、押し出すように盾を構えて踏み留まり耐えた。
そして…。
後ろから剣を抜いたまま駆けて来るアツシさんを振り向き、何か合図した。
アツシさんの剣がイージスさんの足を払うように地を薙ぎ、天へ向かって伸びた。
ーーイージスさんの体が高く舞った。
そのまま落下に身を任せて、剣を差し出す。
きらきらと陽光に輝く銀色の彗星は、グリフィンの目を穿った。

ーー大きな絶叫が辺りに響いた。
グリフィンは暫し苦しそうにのたうつと、一声鳴いてばさりと大きく羽ばたいて舞い上がり…。
それでもまたしても優雅に、彼方へと飛び去っていった。

スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。