表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

5

「…マクシミリアン様…。あなたは……」
ーー何故そう素直に口に出せるのか。
そう、彼は…人、だ。…そしてマスターも。
…私は…ポーン。人に非ざる存在。
二人と私の間に、隔たりが出来たように感じた。
…いや、今まで私がーー意識しようとしなかっただけなのかも知れない。

マスターにとって私は、ただの従者でしかないと云うのに。
…それなのに。
人ではない私が、卿と同じ想いを抱いてしまっていたーー。

「…彼女を守りたいという想いは、私とて貴殿と同じ。その意味が異なるかどうかは、貴殿がよく解られている筈」
どこまでも穏やかな卿の言葉は、私には全て身を切り裂く剣戟のようだった。
「今回の任務は、実際にその身を戦場に置くことになる。…心して掛かられよ」
振り向きざま、低い声で言い残して卿は去った。

後に残された私は、その後ろ姿が見えなくなるまで…目を離せず暫く佇んでいたーー。
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