表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

4

イージスさんの後にアツシさんが続き、ルインさんと私も順に出口のあがりに手を掛ける。
穴の外から響く剣戟の音、ゴブリンの怒号と悲鳴。
否応なしに、戦いの火蓋は切って落とされていた。
慎重に顔を覗かせ、地表に這い上がる。
出た先はどうやら、砦の建物の中の一角のようだった。

喧騒は直ぐに静まった。
薄明かりの灯る室内に、数匹のゴブリンが倒れ伏し、二人の剣士は静かに長い影を落としながら剣を納めた。
部屋には続き間は無く、上への階段が延びているのみ。
私達は黙って頷き合うと、そちらへ進んだ。

昇った先の正面には扉、折り返して背後にはまた階段。
一旦立ち止まり、進路を考える。
私達の此処での任は、閉ざされた砦の門扉を開く事。先ずは、その位置を調べて対策を考えなければ。
「一度、出てみますか?」
イージスさんが手前の扉を指した先、僅かな隙間から光が漏れている。
私達は再び肯き合い、そろりと外へ踏み出た。

はじめに目に飛び込んできたのは、またしても広大な敷地と巨大な建物の影。
私達が通って来たのは、砦の中の施設のほんの一部に過ぎなかったらしい。
遙か先に聳える、まるで城のような佇まいの本体は、此処からもまだ遠い。
そして、かつての激戦により所々破壊されたと思わしき痕が各所に見える。
ーーそれは、戦場としての生々しさを語っているようで。
ごくりと唾を呑む。
…私達はこの中で…戦わなければいけないんだ。

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