表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

5

「覚者様。…あれですね」
イージスさんが背後を示した。木製の大きな門扉が見える。
けれど何処にも、閂や取っ手は見当たらない。
…どこか別の場所に…?
とにかく辺りを見回してみても、ただ石壁が立ち並ぶのみ。
「一度、先程の階段を昇って見渡してみましょう」
確かに、先ずは全貌を測ってみる方が動きやすそうだ。
ーー手掛かりも見つかるかも知れない。
落ち着いた様子のルインさんの提案に肯き、私達は再び建物の中へと引き返した。

階段を昇りきると、建物の屋上へ出た。
死角となっている壁の陰から、ゴブリンが数匹、不意に飛び掛かってきた。
イージスさんが素早く盾で攻撃を防ぎ、払うように押し返す。
跳び退いたゴブリンを剣を抜いて追い、斬りつけながら進んで行く。
瞬く間に、ゴブリン達の悲痛な叫び声が挙がりーー静かになった。
「ーーどうぞ、こちらへ」
剣を納めながら、イージスさんが手を差し伸べてくれた。
その姿はとても…凛々しく堂々としていた。

「どうやら、あれが仕掛けのようですね」
イージスさんの視線の先には、取っ手を取り付ける窪みがあった。
ーーけれど、取っ手は無い。
何処かから探さなければならない…。
やはり、なかなか簡単には行かない。
改めて辺りを見回し、ぐるりと歩いてみる。
どうやら、この屋上には見当たらない。
そうなると、残りの建物を含めて、この広い敷地の何処かに…。
とりあえず、順に調べて行くしかなさそうだ。
思わず小さく溜息が漏れた。


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