表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

4

「…行きます!」
私が建物の入り口に向かって呼び掛けると、皆その時を待っていたように扉へ向かって駆けた。
私も皆に続いて駆け込んだ。
内部には、先程までのような数のゴブリンはいないようだった。
しかも、あまり戦闘態勢は整っていない。
外の防備を当てにして油断していたんだろう。
「ふん…愚かな」
イージスさんが迅速に剣を閃かせ、ゴブリン達を追い詰めていく。
その横から更にアツシさんが踏み込み、一振りに群れを斬り払った。

「やはり此処には居ない…。上ですね」
落ち着き払った様子で、イージスさんが剣を納めながら階段へ向かう。
ルインさんも後に続く。
暫く俯いて倒れたゴブリンを見ていたアツシさんも、ふとそれに気が付いたように剣を納めて続いた。
ーー彼に違和感を感じながらも、私も黙って最後に続いた。
何が、とは言えない。
……でも……。
先程も感じたように、彼がいつも持っている雰囲気とはーー何かが違った。

背後で、外からの風に押されて扉がばたんと閉まる音がした。

階段は左右に分かれている。
その先は通路が直角に曲がっていて、下からはどちらがどう目指す場所に繋がるのか判別出来ない。
とりあえず、まずは左から。ーー直ぐに行き止まり。
途中の小部屋から、潜んでいたのかはたまた隠れていたのか、ゴブリンが数匹飛び出して来た。
けれど、剣士二人がそれぞれの剣を抜いた数秒後には、既に事は治まっていた。
階段を一度降りて、次は右へ。
じゃあ、こちら側が…?
更に慎重に進む。
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