表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

9

階段を降りきると、曲がり角。
皆、手前で一度立ち止まる。
まずは盾を構えたイージスさんが、角からそっと覗き込む。
そしてもう片方の手を剣の柄へ掛け、先へと歩を進める。
途端に、何匹かのゴブリン達が飛び掛かってきた。
その攻撃を避けざまに、イージスさんは剣を抜きながら足元めがけて突いた。
アツシさんが後から続き、剣を上段から振り降ろす。
それぞれ二人の剣に勢いよく斬られ、床に叩きつけられーーゴブリン達は次々と折り重なるように倒れていった。

ゴブリン達が倒れたそのすぐ先に、大きな扉があった。
ーーこれがきっと、目的の部屋の扉…!
「…よろしいですか?」
イージスさんの問いに、私は縦にしっかりと首を振った。
ゆっくりと、扉が両側に開けられてゆく…。
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暗い部屋の中へ、目を凝らす。
奥行きのある広い部屋の先に佇む、黒い影。
…居た…!きっとあれが…。
暗闇に紛れ、よく見えないながらも。近付いてくる鋭い眼光に、気配に、そう確信した。

私達は揃って頷き合い、勢いよく中へ踏み入った。
部屋の中央、白狼の敷物の上に堂々と居座る、鎧兜を身に着けた一匹のゴブリン。
その出で立ちから、指揮官と思われるそのゴブリンはーー私達を黙って見据えている。
低く身構え警戒しながら、顔が見える距離まで近付き対峙した。
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