表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

9

ーーそういえば、明日の目的地をちゃんと聞いていない。
昨日は、慌てて去ってしまったから……。
…マクシミリアンさんに、ちょっと失礼だったかな…。
まだ時間があるうちに、詳細を聞きに行こう。そして一言謝ろう。
そう決めて、城へと続く通路へと向かった。

後から、ちゃんと持ち物も買い揃えて用意して…。
今から色々準備しておけば、明日はスムーズに出発出来る筈。
自由に動ける今のうちに、明日の準備を整えておこう。

いつもの城門前の通りに…。やはり卿は居た。
「…これは覚者殿。如何なさいましたか」
どう切り出そうかと、少し迷いながらゆっくり歩み寄る私に。
幸いにも、向こうから先に声を掛けてくれた。
「……あの、昨日は…すみません。慌てて帰ってしまって…」
「ーーいえ。…今日はお一人で…?」
目が細まり、穏やかな表情が少し強みを帯びる。
その鋭い眼差しに、つい目が泳いでしまう。

ーーやっぱり一人では…少し心細い。
でも、これも務めのうち。ちゃんと訊かなきゃ…。

「…はい。…あの…。明日の行き先など…詳しい事をお訊きするのを忘れたものですから…」
「…そうでしたね。私もつい…。申し訳ありません」
マクシミリアンさんは一度軽く頭を下げ、詳細を語ってくれた。
本当に、丁寧な人だと…改めて驚かされる。
ーーそもそも、謝りに来たのは私なのに。

明日の目的地は、初めて此処へ来る時に通った、峠の関所の側。
そこを流れる川の上流に、隠れた遺跡があるという。
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