表記について

・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。

7

また、そう言ってくれるのが嬉しかった。
また、彼が一緒に歩いてくれる……。
それが例え…従者としての義務でもいい。
強く優しく、真っ直ぐな彼に愛される資格はないけれどーー。
…ありがとう…アツシさん…。
言葉で言えない分、精一杯の微笑みで気持ちを返した。

ーーと。
唐突に、視界の外から人影が飛び込んできた。

「ーーもう!こんなとこにいた!」
アツシさんが不意に勢いよく押されて、一瞬よろめく。
すると目の前の人物が、アツシさんからその人にすり変わった。
くるりと大きな、形の良い目に輝く青い瞳。陽を受けて輝く金髪の長い髪は、二つに結い上げられ軽やかに揺れている。
快活な雰囲気をも纏った、美貌の女性。
「ーーふ~ん…」
その人はじっと私の顔を見ながら、近寄ってくる。
ーーごく近くまで。
驚きと戸惑いで、目を離せないまま思わず後ずさる。

…誰だろう…?アツシさんの知っている人…?それとも私がいつの間にか会っていた人…?
ーーでも、こんな綺麗な人なら。一度見れば覚えている筈…。
どれだけ考えても、全く解らない。
「……へえ~」
その人は、明るくにっこり笑った。
「あなたが…アツシさんの覚者様なのよね?」
ーーこの人は…アツシさんの知り合いなんだ…。どういう関係なんだろう?
…こんな綺麗な人だもの…きっと…。
少し胸がざわついて、目を合わせていられなくなる。
「なるほど…確かにね~。いかにも、アツシさんが好…」
「ーールゥさん」
低く静かに、けれど強く制すような、アツシさんの声に。
彼女ーールゥさんと呼ばれたその人は、首を竦めて悪戯っぽく微笑った。
「ーーごめんなさい、ついうっかり」
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。