表記について
・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。
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一向に鳴り止まぬ剣戟の音。
ルゥさんは武器を短剣から持ち変える事無く、アツシさんの大振りの攻撃をずっと間近で受け流し続けている。
男女の戦闘能力の差は、あまり無いのかも知れない。
ルゥさんとアツシさんの実力はほぼ互角だとも、往路の途中でちらと聞いた。
それでもさすがに、武器の特性からもーー。
……このままでは、ルゥさんの疲労は……。
実際、少し苦々しい呟き声が混じり始めている。
ーー早くなんとかしなければ…!
見ていられない光景に、体が衝動的に動く。
私ではとても、激戦を繰り広げる彼らの間に入る事は出来ない。
わかっていても、それでも駆け寄る。
またも涙がこみ上げ、喉が詰まる。
二人の表情がはっきり見える距離で、足が竦みながらも…。
「アツシさん…!やめて…!」
それでも必死に、奥から声を絞り出した。
「ーーセッちゃん!…来ちゃだめ!!」
こちらを振り向いたルゥさんの形相は厳しく、額には汗が滲んでいる。
ーーその、ほんの一瞬。
アツシさんの剣がルゥさんの片方の短剣を跳ね上げた。
「…ちっ…!しまった…!」
ルゥさんの表情が苦悩に歪む。
残された片方の短剣を胸の高さに水平に構え、じりじりと後退する。
ーーこうなると完全に分が悪い。
それでもルゥさんの表情からは、強い意志の光は消えない。
「さあ、どうしようかな……⁉︎」
彼女の足が私の居る位置より前で踏み留まり。
厳しい表情の中にも、苦みの混じった笑みが浮かぶ。
……どうしよう…。
きっと今のは私のせいだ……。
何としてでも、ルゥさんに刃が掛かるのだけは…!
ーーやはり、黙っていられない。
アツシさんが、開いた間合いを詰める直前。
たまらずルゥさんの前に飛び込んだ。
「……なにやってんの?!ーーどきなさい!」
背中に驚愕の、そして静止の声が掛かる。
一度振り向き、何とかほんの僅かの笑顔を作り……もう一度アツシさんに向き直った。
「ーーお願い、アツシさん…。もう、やめて……?」
不気味な昏い色に輝く彼の瞳はーー私を見ているようで、映してはいないのだろうか。
剣を振りかぶる動作は、止まらない。
それでも……。この場を動きたくなかった。
ーー動きはしない。
「ーーセッちゃん!!」
背後から掛かる、ルゥさんの悲鳴のような声。
ーーと共に、肩に鈍い痛みが走るのを感じた。
「ーーぅうっ…!」
彼の剣の柄を、叩きつけるように打ち下ろされていた。
一瞬、雷のような幻が視界に走る。
ルゥさんは武器を短剣から持ち変える事無く、アツシさんの大振りの攻撃をずっと間近で受け流し続けている。
男女の戦闘能力の差は、あまり無いのかも知れない。
ルゥさんとアツシさんの実力はほぼ互角だとも、往路の途中でちらと聞いた。
それでもさすがに、武器の特性からもーー。
……このままでは、ルゥさんの疲労は……。
実際、少し苦々しい呟き声が混じり始めている。
ーー早くなんとかしなければ…!
見ていられない光景に、体が衝動的に動く。
私ではとても、激戦を繰り広げる彼らの間に入る事は出来ない。
わかっていても、それでも駆け寄る。
またも涙がこみ上げ、喉が詰まる。
二人の表情がはっきり見える距離で、足が竦みながらも…。
「アツシさん…!やめて…!」
それでも必死に、奥から声を絞り出した。
「ーーセッちゃん!…来ちゃだめ!!」
こちらを振り向いたルゥさんの形相は厳しく、額には汗が滲んでいる。
ーーその、ほんの一瞬。
アツシさんの剣がルゥさんの片方の短剣を跳ね上げた。
「…ちっ…!しまった…!」
ルゥさんの表情が苦悩に歪む。
残された片方の短剣を胸の高さに水平に構え、じりじりと後退する。
ーーこうなると完全に分が悪い。
それでもルゥさんの表情からは、強い意志の光は消えない。
「さあ、どうしようかな……⁉︎」
彼女の足が私の居る位置より前で踏み留まり。
厳しい表情の中にも、苦みの混じった笑みが浮かぶ。
……どうしよう…。
きっと今のは私のせいだ……。
何としてでも、ルゥさんに刃が掛かるのだけは…!
ーーやはり、黙っていられない。
アツシさんが、開いた間合いを詰める直前。
たまらずルゥさんの前に飛び込んだ。
「……なにやってんの?!ーーどきなさい!」
背中に驚愕の、そして静止の声が掛かる。
一度振り向き、何とかほんの僅かの笑顔を作り……もう一度アツシさんに向き直った。
「ーーお願い、アツシさん…。もう、やめて……?」
不気味な昏い色に輝く彼の瞳はーー私を見ているようで、映してはいないのだろうか。
剣を振りかぶる動作は、止まらない。
それでも……。この場を動きたくなかった。
ーー動きはしない。
「ーーセッちゃん!!」
背後から掛かる、ルゥさんの悲鳴のような声。
ーーと共に、肩に鈍い痛みが走るのを感じた。
「ーーぅうっ…!」
彼の剣の柄を、叩きつけるように打ち下ろされていた。
一瞬、雷のような幻が視界に走る。
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