表記について
・R指定表現のあるページには、(※R)を付けています。苦手な方はご注意下さいませ。
・「NOVEL1」の内容は"ポーンコミュニティ"にも載せておりましたが、本サイト掲載の際に各所加筆修正しております。
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ルゥさんが、軽くぱんと手を打った。
「さっ、ここの探検済ませてしまおう!…まずはそれから。ね?」
まだ此処へ来て、成した事は通路を開けただけ。ーーやる事がまだ沢山ある。
はい、と肯くと、ルゥさんはまた晴れやかに微笑った。
「じゃあ、行こう。…ここからが本番ね」
ーー皆で肯き合う。
ルゥさんはくるりと踵を返し、鮮やかな緋色のマントを翻しながら先を進んで行く。
ハゥルさんも黙ってすぐ後に続いて行く。
勿論、私達二人も後に続く。
「ーー滑りますから」
先程のようにそっと…でもしっかりと手を繋いでくれた。
ーー彼の左手と私の右手の指輪が、微かにかちりと音を立てて擦れ合う。
胸の辺りに沸き上がる暖かさを感じて、自然と顔が綻ぶのが分かる。
ーー唐突に。
また一瞬、頭の中に見知らぬ映像が浮かんだ。
しっかりと、手を繋いでいる二人。ーーやはり、携えている武具は同じ。
……誰……、なの……?
「……マスター……?」
意識をそちらに集中している間にも、彼に手が引かれようとしていた。
先程と変わって私をマスターと呼ぶ彼の表情には、再び従者としての責任感も滲んでいた。
ーー気持ちの切り替えが出来る彼だからこそ、安心感が持てるところもある。
「……大丈夫ですか……?何かありましたか」
彼は眉根を寄せながら、私の顔色を伺い覗き込む。
「ーーいえ……。何でもありませんから…」
心配をかけないよう、何とか戸惑いを振り払って微笑み掛けた。
「……そうですか…。あまり無理なさいませんよう。ーー私がついていますから」
最後の言葉に添えられた力強い微笑みと、改めて固く握られた手に。
心強さを感じ、微笑み返しながら頷いた。
「ありがとう…」
ーーそう、何があっても大丈夫。
いつも彼が、傍に居てくれるから……。
通路を進んだ奥の行き止まりは、大きな広間になっていた。
何本もの柱に支えられた部屋は奥行きが広く、先は暗くてよく見えない。
何となく皆で頷き合い、それから恐る恐る足を踏み入れる。
闇に包まれた寒々しい空気に、彼の逞しい腕に思わずそっと身を寄せて進んだ。
私達一行の靴音と、天井から滴る水の音が通路を歩いている時より反響して聞こえる。
「…何かここ、嫌な雰囲気…」
ルゥさんがそう呟いた時。辺りを見渡していた私の足が滑った。
「………?!」
不意に体が後ろへ傾き、思わず、あっと小さい声が漏れた。
「ーー危な……」
手を繋いだままだったアツシさんが、ぐいと腕を引いて……そのまま懐へ抱き込まれ。
辺りの様子が見えない。一体何が…?
「………アツシさん?」
「………」
返事が無いのが気になり、頭を僅かにずらして目線を下へ向けた。
「…何…が……」
「さっ、ここの探検済ませてしまおう!…まずはそれから。ね?」
まだ此処へ来て、成した事は通路を開けただけ。ーーやる事がまだ沢山ある。
はい、と肯くと、ルゥさんはまた晴れやかに微笑った。
「じゃあ、行こう。…ここからが本番ね」
ーー皆で肯き合う。
ルゥさんはくるりと踵を返し、鮮やかな緋色のマントを翻しながら先を進んで行く。
ハゥルさんも黙ってすぐ後に続いて行く。
勿論、私達二人も後に続く。
「ーー滑りますから」
先程のようにそっと…でもしっかりと手を繋いでくれた。
ーー彼の左手と私の右手の指輪が、微かにかちりと音を立てて擦れ合う。
胸の辺りに沸き上がる暖かさを感じて、自然と顔が綻ぶのが分かる。
ーー唐突に。
また一瞬、頭の中に見知らぬ映像が浮かんだ。
しっかりと、手を繋いでいる二人。ーーやはり、携えている武具は同じ。
……誰……、なの……?
「……マスター……?」
意識をそちらに集中している間にも、彼に手が引かれようとしていた。
先程と変わって私をマスターと呼ぶ彼の表情には、再び従者としての責任感も滲んでいた。
ーー気持ちの切り替えが出来る彼だからこそ、安心感が持てるところもある。
「……大丈夫ですか……?何かありましたか」
彼は眉根を寄せながら、私の顔色を伺い覗き込む。
「ーーいえ……。何でもありませんから…」
心配をかけないよう、何とか戸惑いを振り払って微笑み掛けた。
「……そうですか…。あまり無理なさいませんよう。ーー私がついていますから」
最後の言葉に添えられた力強い微笑みと、改めて固く握られた手に。
心強さを感じ、微笑み返しながら頷いた。
「ありがとう…」
ーーそう、何があっても大丈夫。
いつも彼が、傍に居てくれるから……。
通路を進んだ奥の行き止まりは、大きな広間になっていた。
何本もの柱に支えられた部屋は奥行きが広く、先は暗くてよく見えない。
何となく皆で頷き合い、それから恐る恐る足を踏み入れる。
闇に包まれた寒々しい空気に、彼の逞しい腕に思わずそっと身を寄せて進んだ。
私達一行の靴音と、天井から滴る水の音が通路を歩いている時より反響して聞こえる。
「…何かここ、嫌な雰囲気…」
ルゥさんがそう呟いた時。辺りを見渡していた私の足が滑った。
「………?!」
不意に体が後ろへ傾き、思わず、あっと小さい声が漏れた。
「ーー危な……」
手を繋いだままだったアツシさんが、ぐいと腕を引いて……そのまま懐へ抱き込まれ。
辺りの様子が見えない。一体何が…?
「………アツシさん?」
「………」
返事が無いのが気になり、頭を僅かにずらして目線を下へ向けた。
「…何…が……」
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